専門家相談 - 年俸制の時間外手当について

FAQ No.564

相談内容:

当社は年俸制を採用しているが、時間外・賞与額などを見込んで額を出しています。他の会社は一般的にはどのように採用しているのでしょうか?
また、時間外が発生した時の計算方法などを教えて下さい。


回答:
日本の年俸制および導入方法

 いわゆる日本的な年俸制はアメリカのように労働者個人単位で実績評価される査定方法が定着しておらず、部や課単位でカバーし合ったり上司の個別の指示で助け合うなどが、普通の慣行として日常的に行われています。そのため、型や仕組みが定められているわけではなく、採用しようとする企業の考え方次第で様々なバリエーションがあるようですが、概ね次のような内容が考えられます。


(1)業績や将来への期待その他を毎年総合評価して、「1年でいくら」と賃金額を決める。(定期昇給は原則廃止。諸手当は別支給の場合もある。)

(2)賃金体系としては、月給部分(毎月支給)と賞与部分(この部分が毎年増減)に分け、年俸更改時の様々なルール(評価基準やアップダウンの幅等)を設ける。

(3)全社員を対象にするのではなく、管理職や特定職のみに導入するケースが多い。

年俸制と時間外割増賃金

 年俸制の場合も、法定労働時間を超えた労働等に対しては、労基法で決められた割増賃金の支払義務があります。ただし、割増賃金を年俸とは別枠で明示するようにし、定額で支払う方法は認められていないわけではありません。例えば、時間外労働が毎月ほぼ一定の場合に、あらかじめ算定した割増額を年俸とは別に定額残業代として支給することは、違法とはなりません。しかし、この場合にも、実際に行われた時間外労働に見合う割増額が、定額残業代を上回る場合には、その差額を支払わなければならないことに注意が必要です。
 
なお、年俸制をとる場合の割増賃金の算定基礎となる賃金は、年俸の月割額(通勤手当等の算定基礎から除外できる賃金以外の手当が年俸と別に支給される場合には、その手当を含む)となります。


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