【 回 答 】
1 まず、事故態様が問題です。相手方に前方不注視などの過失が認められる場合は、刑法上は「過失傷害罪」となり(刑法209条1項)、かつ、民事上は民法上の「不法行為責任」が発生し、損害賠償責任が成立します(民法709条)。商品配達中の事故であれば、雇用主にも「使用者責任」が成立し、加害者本人との連帯責任となります(同法715条1項)。
今後、事故態様等で争いが生じる可能性もあるので、警察に告訴して、実況見分や関係者からの事情聴取などの捜査をしておいてもらうべきでしょう。過失傷害罪は、自動車事故の場合の「業務上過失傷害罪」とは異なり、親告罪(被害者の告訴が無ければ処罰されない犯罪)なので(刑法209条2項)、正式に告訴をすることが必要です。なお、一般に警察は告訴を受理したがらないので「示談で済ませたらどうか」とか色々言いますが、示談するか否かは後々の問題なので気にせずに「告訴する」とはっきりと意思表示して下さい。
2 賠償に関しては、治療が終了しないことには慰謝料などの賠償請求額が確定しません。慰謝料は入院・通院期間の長さによって金額が変わってくるからです。従って、治療が終了した時点で、ケガによる慰謝料、休業損害、通院交通費などを請求することになります。
但し、歯の治療代などでまとまった出費が必要となる場合は、「仮払い」を請求してもよいでしょう。内容証明郵便で、当面必要となる費用を加害者(使用者責任が成立する場合には雇用主にも)宛てに請求すべきです。
3 なお、後遺障害が残る場合には後遺障害慰謝料や逸失利益も加算されます。本件の場合、歯科補綴が後遺障害に該当する可能性があります。例えば、3歯以上の歯科補綴は14級、5歯以上は13級、7歯以上は12級、10歯以上は11級、14歯以上は10級と損傷した歯の数によって等級が異なってきます。
後遺障害が認められる場合には慰謝料や逸失利益で賠償額が数百万円単位で変わってくる可能性があります。こうなってくると金額的にもすんなり示談という訳にはいきませんから弁護士に交渉や法的手続を委任することも考慮して下さい。
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