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ちょっと耳より 経営知恵袋 バックナンバー

 



【 質 問 】

 職安に提出した「求人票」記載の労働条件に応募してきた求職者に対して賃金等、記載内容を変更して雇用契約を締結することは可能なのでしょうか?

  
2002年07月15日 月曜日
【 回 答 】

求人票に記載する賃金、労働時間その他の労働は、募集の段階での見込みにすぎず、労働契約は成立していませんので、求人票に記入された労働条件がただちに後の労働条件の内容となるものではありません。

会社が職安に対してする求人の申込は、いわば求人広告のようなもの(申込の誘引)と理解されます。

これに対して求職者が職安を通じて応募するのが契約の申込とされます。(求職者の応募があってはじめて、労働契約の内容交渉が始まります。) 従って、職安に提出された「求人票」の内容がそのまま労働契約の内容になるとは限りません。

但し、「職安の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人票記載の労働条件を明確に変更し、これと異なる合意をする等特段の事情のない限り、求人票記載の労働条件のとおり定められたものと解すべきである」(千代田工業事件、昭58・10・19大阪地裁決定)とありますので、労働基準法第15条(労働条件の明示)に規定されているように「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示」し「賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項(労働契約の期間に関すること、就業場所および従事すべき業務に関すること、始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関すること、賃金の決定、計算・支払の方法、賃金締切り・支払の時期、退職に関すること)については、厚生労働省令で定める方法(書面の交付)により明示」し、明確にしておく必要があります。

賃金についても求人票に「賃金の見込額」が記載されることがありますが、この金額については上述の通り労働条件と解されることもありますが、これは「将来入社時までに確定されることが予定された目標としての額」であり、尊重すべきではありますが、やむを得ない事情があれば異なる賃金額を決定しても差し支えないとしています(八洲測量事件、昭58・12・19東京高裁判決)。



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