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ちょっと耳より 経営知恵袋 バックナンバー

 



【 質 問 】

 最近、過労死の問題が何かとクローズアップされているようですが、この前も、「連日深夜に及ぶ残業をさせながら労働時間を管理せず、また法律で定めた健康診断を実施しなかったため社員を過労死させた事業主が労働基準法及び労働安全衛生法違反の疑いで書類送検された」という話を聞きました。

 当社においても毎年の健康診断は行っておりますが、一部の従業員の中には安衛法の求める定期の社内健康診断のレントゲン検査を拒否する者がおります。実態としては対処の方法がなく、そのままになっている状態です。

会社として、このような者を懲戒処分などの対象にできるのでしょうか?

また、仮に健康診断(以下、健診ともいう)を行わないままで、健康障害の発見が遅れ、当社に対して損害賠償請求されるなどの問題があるでしょうか? なお、定期健診とは別の人間ドックのような安衛法とは関係ない法定外健診の場合はどうなるのでしょうか?

  
2002年04月30日 火曜日

【 回 答 】

 法定健診については、貴社の指定医師以外の医師の健康診断書の提出をもって代えることはできますが、受診自体を拒否することはできません。

 法定外の受診については、受診義務規定の有無に拘わらず、その合理的必要があれば、受診義務が認められます。

 いずれにせよ従業員に対しては、懲戒処分をもって対処することも可能です。懲戒処分を行う場合は、その具体的事由を就業規則の懲戒事由に記載しておきます。また服務に関する規定の内容との整合性も考慮されるとよいでしょう。

 次に、受診しない場合の損害賠償請求については、健康障害の内容・程度にもよりますが、少なくとも従業員の請求に対する過失相殺の対象とはなるでしょう。

 つまり、安衛法の健康管理義務規定により、企業は、常時使用する全ての従業員に対して、雇入時と毎年1回定期に医師による健診を実施しなければならないとあり、また、これらの一般健診に加えて、有機溶剤業務従事者などに対してはさらに特殊健診が義務付けられていますが、企業に課している健康配慮義務は、一定の範囲において労働者の健康配慮のために必要な健康情報を得ることを前提としていますので、労働者に対しても健診受診義務を負わせているものと解されいます。ですから、仮に労働者が会社の健診を拒否した場合であっても、労働者は自己の選択する医師などの健診をうけ、その結果を証明する書面を事業主に提出する義務があり、また提出しないのであれば、会社の健診を受ける義務があることとなります。

 ご質問のケースでは、安衛法においてX線検査も含む法令の定める一定の範囲について、労働者に受診を義務づけておりますので、従業員がプライバシー等を理由としてその健診を拒絶した場合には、当然に懲戒処分等の問題となると考えられています。

 安衛法上の定期健診に関しては、従業員に受診義務と共に健診担当医師の選択の自由が認められていますが、この規定は、企業が様々な健康配慮義務の遂行の過程で行う法定外の健診には及びません。



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